遺言書偽造の罪

遺言書は実際によく偽造されることがあるようです。遺言書を偽造した場合、私文書偽造罪に問われる可能性があります。行使すると偽造私文書行使罪になります。

刑法第159条では、 行使目的で、他人の印章、署名を使用して権利や義務など、事実証明に関する文書または図画を偽造したり、偽造した他人の印章または署名を使用して権利、義務、事実証明に関する文書、図画を偽造した場合、三月以上五年以下の懲役に処するとあります。他人が押印し、署名してある文書・図画で権利、義務、事実証明に関するものを変造した者も同様の罰を受けることになります。

刑法第161条では、行使した者も同一に罰するとあります。更に相続税法違反に問われる可能性もあります。相続税法第68条にあたる可能性があります。相続税を免れようとした場合には、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処されます。

実際に遺言書偽造は頻繁にあると言います。それは、遺言人が既に亡くなっているゆえ、自由にそのようなことが出来ると誤解しているせいなのかもしれません。そして、やっぱり誰もが、相続を目の前にして、お金の欲に正しい判断が出来なくなってしまうのです。遺言は、思っている以上に神経を尖らせなければならないものかもしれません。こうした偽造行為や争いが生まれないようにするためには遺言書の作成を弁護士へ依頼しておくと良いでしょう。弁護士には遺言の執行まで安心して任せられるので、確実な方法と言えるでしょう。

筆跡鑑定

筆跡鑑定が、証拠として当事者より提出される場合、裁判所が筆跡鑑定を行う場合もあります。裁判所が筆跡鑑定を行うという場合には、裁判所が鑑定人を選出して、鑑定人の宣誓の上、筆跡鑑定を行うことになります。筆跡鑑定は、遺言書が間違いなく本人によって書かれたのかとうことを追求する場です。

筆跡鑑定には、対照筆跡が必要です。しかし、人間の筆跡と言うものは年齢によっても変化して行くものです。遺言を書いた時にできるだけ近い時の筆跡を見付けるのがベスト対策です。そして、遺言に書かれている文字と同じ文字を含んでいるのがよりベストです。

原被告間で、対照筆跡を選択することから争いになってしまうケースがあるようです。原被告間で合意出来た、 対照筆跡が鑑定人に提供される必要があります。ここに筆跡鑑定という大事な要素がある訳ですが、裁判官は実際に、筆跡鑑定の結果に囚われている訳ではありません。

自由心証と言って、裁判官が自由に判断をして行くことが出来ます。当事者によって、せっかく裁判所が選んだ鑑定人に筆跡鑑定をお願いしたというのに無駄になるというケースもない訳ではありません。裁判で、遺言を本人が書いたことを裏付ける事情を主張しなければなりませんし、それに関する証拠を出す必要があります。

偽造は出来るもの?

遺言書と言えば、自筆証書遺言を普通考えるものではないでしょうか。自筆証書遺言は、手軽に書くことが出来るのがメリットです。しかし、簡単に出来るゆえ、本当に自分で書いたものかということが疑われるのも自筆証書遺言のもデメリットとして捉えることが出来ます。 そのために相続開始後に家庭裁判所に検認という申し立てを行う必要がありますが、通常1ヶ月程度時間がかかってしまうとも言われています。

遺言書がせっかく書かれたと言うのに、遺言書が見付からない、隠されてしまう、捨て去られてしまう可能性もあります。遺言書は有難いものです。しかし、遺言書が偽造だと騒がれてしまうかもしれません。自筆遺言証書が2通出て来てしまうということもあるようです。その時、基本は一番最後に書かれた遺言書が有効と言うことになります。

自筆証書遺言を信じたい。 しかし、自筆証書遺言、そして、筆跡鑑定は万能ではないということにも気付くかもしれません。 筆跡を鑑定する人や鑑定機関によって異なる判決が出てしまうこともあまり珍しいことでないようです。なぜ、違う判決が出てしまうのでしょうか。すぐに真実が歴然と判るものではないからです。だから自筆証書遺言の信憑性を高める工夫を私達が考えていかなければなりません。

遺言書の偽造

遺言書の偽造は実際にあると言います。案外みなさんもひょっとしたら簡単に出来るのではと思っていたりするものではないでしょうか。本人以外の誰かがなりすまして遺言を偽造するというケースもあるようですし、 認知症の人間をだまして本人の筆跡で書かせるという偽造もあります。

本人以外の誰かがなりすましという場合には、筆跡鑑定を行います。遺言が他人によって書かれたことが証明されていかなければなりません。認知症の場合では、遺言が作成された当時、認知症であったということが、医師の診断書などで証明されればいいのです。遺言は、家庭裁判所で、検認というものを受け、 その遺言が本人の筆跡で書かれたものであるかどうかを確認をします。

そこでは、遺言以外の手紙、申請書に書かれた名前と言った筆跡より、遺言に書かれた筆跡とを比較をして、同一人物かということを判定して行く作業を行って行きます。機械などを使用して、検認が行われると言うことでなく、偽造を防止するためには、しっかり家庭裁判所の担当が目で判定を行って行きます。しかし、100%完全かと言えば、信用出来ないのも人間の目であり、家庭裁判所の担当の目をスルー出来れば、偽造の遺言も本物の遺言と言うことになってしまう訳です。

このとき、遺言が偽物とすれば、遺言無効確認の調停を申請することになります。調停でも遺言無効の調書が作成されないケースはあります。そのような場合は、 次には遺言無効確認の訴えを起こします。偽造についてもう少しお話ししましょう。